はじめまして。
管理人です。今日から、大村しげさんの功績の再評価を目的とした私のウェブサイトがスタートしました。ブログをご覧くださいまして、本当にありがとうございます。
最初にホームページ開設までの経緯をご説明します。若いころ、私は生まれ育った京都を離れて、仕事のために上京しました。約20年が経過し、年も取ったのでしょう、この数年は徐々に京都が恋しく感じられるようになってきたのです。また、あまり京都のことも知らないまま、上京してしまったなと感じることもしばしばありました。そんなこともあって、京都をもっと知りたくて帰省の都度、京都のお店や習慣などについて、両親に質問ばかりしておりました。我が家は旧家ではありませんが、幸いなことに父親が西陣織の織り屋だったし、母親は京都の古いことに関心があったので、老舗、和菓子、食べ物など多くの情報を知っていたのです。
そんなあるとき、大村しげさんの存在が母の口から語られたのです。ところがインターネットで調べても、あまり彼女の情報は出てきません。図書館で大村さんの本を読み始めると、昔の京都の暮らしぶりが、驚くほど詳細に、わかりやすく書いてありました。また、私がわずかに聞きかじっていたことの由来、意味などについて書かれていて、まさに目から鱗が落ちる思い。
なにもかもが興味深く思えた私は、大村さんの著述をもとに名所やお店を訪ね歩き始めます。お店の方のなかには、「当時はお世話になって」と、いまも大村さんを慕っておられる女将さんやご主人が何人もいらっしゃいました。また、京都観光が盛り上がる陰で、人知れず閉じていく名店や、なくなっている名物にも気が付くようになります。
一方で、大村さんの存在が、時代とともに世の中から忘れ去られつつあることを、私は感じていました。人生の大半をかけて自分の見聞きした京都の姿を書き続けた先達の功績を一人でも多くの人に知ってもらえないものか。京都の情報が多すぎる今だからこそ、改めて彼女の著述が、京都を理解する道標となるのではないか。私はいくつもの東京の出版社に、大村さんにまつわる企画を検討してもらえるようにお願いして回りました。と、同時に当時の関係者を探していきます。当初、出版社の反応は芳しいものではありませんでした。何社にも断られてしまい、私は自力でホームページ製作を始めることにしました。
ホームページ製作について、まず、私がしなければならないことは、鈴木靖峯さんに、活動の公認をいただくこと。鈴木さんは若者だったころから、大村さんの長年の友人であり、車いす生活となった大村さんを、自分が移住していたバリ島に招いて家族同然にケアをされた方です。帰省の度に京都を訪ね回っていると、ようやくかつて大村さんをサポートしていた人たちと巡り会うことができました。関係者から関係者へ、鈴木さんのご親戚へ。何人もの方のお力添えで、ようやく私は鈴木さんとバリ島でお会いすることができたのです。
鈴木さんから了承をいただけたほか、バリ島で大村さんが孫のように可愛がっていたアユさんと東京でお会いすることも叶い、準備は整いました。いいことは続くもので、長年お付き合いのある出版社の婦人誌から「ウェブサイトで大村さんの連載をしてみたい」と連絡もいただくことに(こちらは3月頃のスタート予定)。
そして、当初の予定からずいぶん遅れてしまいましたが、ようやくスタートの日を迎えることができました。ご尽力くださいました関係者の皆様、京都で私の調査に付き合ってくれた友人に、心から感謝を申し上げます。
雲の上で、大村さんが喜んでくれはるとええんやけどなあ。
0コメント